135号壁の1級くらいの課題を登っていたら、新規の人から「スゴいですね・・!今、日本で一番上手い人は誰ですか?」みたいな質問をされました。
最も単純で最も難しい問いですね・・(汗)。
クライミングにはいろいろなジャンルや考え方、それに、さまざまな楽しみ方や難易度の尺度なんかがあって、なにをもって一番かを決めるのは実際とても難しいことです。
打ち込みの末、世界最難グレードをR.Pするクライマーが上手いクライマーなのか、それともやっぱりオンサイトに強いクライマーが上手いのか?はたまた、ボルダリングで五段を登る、コンペで優勝する、岩場でルートを拓いて初登する、ビックウォールを短時間で登る…??
「エキスパートとは理想的な登攀が、つまり初見ルートを墜落しないで登る『フラッシュ』ができる者を言う」…故ヴォルフガング・ギュリッヒは、「フリークライミング上達法(山と渓谷社)」の中でこう言っていますが…(古い?)。
「あらゆる岩質・形状・形態のルート・課題を、グレードに関係なくオンサイト(一撃)で登れるクライマー」が、昔から私が目標としてきた理想のクライマー像なんですが、当然、これでは客観的な順位付けをするのは非常に難しく、ゆえに「一番上手いクライマーは誰かなど分からない」としか言えません。
なんか答えになってないと言われてしまいそうですが、自然が相手であるクライミングは、人と競って順番を決めるみたいな単純な概念では計れない奥の深いものだと締めときましょう。
えっ、余計わからないって?!